溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「多少の資金は動くが、東横の力を借りなくても他行で賄える」

「すごい……」


まだトップに立っているわけでもない彼が、アルカンシエルをたしかにけん引している。


「親父にも納得させた」

「納得?」


その提携を? 納得もなにも、歓迎すべき事態でしょう?


「澪と俺の交際」


彼はニッと笑う。


「交際……?」


仕事の話から突然私たちの話になり、しかもびっくりするような展開に思考が固まる。


「あんなふうに強引に婚約宣言したし、澪がハウスキーパーだってのもバレているし、正直大反対された。だけど、澪のためならなんだってできる。澪がいてくれるから俺は走れるんだって」


彼はそう言うと、私の腕を引き、抱きしめる。


「親父は、それならフランスの件がうまくいったら、交際を認めてもいいと言った。だから、もうなにも心配事はなくなったんだよ」
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