溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「ヘアメイクもしてもらうから。安心して、本当によく似合ってるよ。澪がきれいだから、完全に酔いがさめたよ」


大成さんはごく自然に私の腰に手を回してグイッと引き寄せ、耳元で囁く。

私はといえば、彼の艶っぽい声にゾクゾクしてしまい、腰が抜けそうだった。


結局、まともな返事ひとつできないまま、ヘアメイクをするために鏡の前に座らされ、彼は「俺も着替えてくる」と再び出ていってしまった。


「ご希望はありますか?」


と言われても、こんな予定ではなかったので、なにも浮かばない。


「いえ。お任せします」

「そうですか。では、旦那さまが落ち着いた雰囲気の方でいらしたので、ちょっと大人っぽくしてみますね」

「は、はい」


違う世界に住む大成さんを『旦那さま』と言われて、なにか悪いことでもしたような気分だった。

彼はたしかに落ち着いているというか、立ち居振る舞いが上品というか……。
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