溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
私が言葉を濁すと、大成さんは私の耳朶を甘噛みしてくる。


「や……っ」

「そんなかわいい声出して。もう一回おねだりしてるの?」

「し、してないです!」


慌てふためき、振り向いて言うと「やっとこっち向いた」と彼はしたり顔。
そして彼は今まで茶化していたくせして、ふと真剣な顔つきになり、口を開く。


「澪。俺と一生恋をしないか?」

「大成さん……」

「澪に出会えたこと、神様に感謝するよ」


それを言うなら、私のほうだ。
あの日、私がスイートの担当でなければ、こんな幸せはやってこなかった。


「私も、大成さんとずっと恋をしていたい——」


彼の熱い唇に、そのあとの言葉が飲み込まれていった。


それから大成さんは、毎日マンションに帰ってくるようになった。
ピアノ対決も『しなくていい』と言ってくれたけど、私は首を振った。


「どうしてだ? 俺は澪の手を離すつもりはないし、千代子さんは澪に恥をかかせたいだけだろ」
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