溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「澪。なにがあっても俺のそばを離れないで」


大成さんのひと言に、鼓動がうるさくなる。
まるで愛し合っている恋人の会話だ。


「……はい」


もうここまで来たら引き返せない。
私は大成さんに続いて足を踏み出した。


「今日のパーティで、俺の婚約が発表される手はずになっている」

「はい」

「それをぶち壊す。愛する人と結ばれたいと、ちゃんと主張しようと思う」


それは大賛成だけど……。


「澪。少しの間、俺の恋人のフリをしてくれ」


やっぱり、そうか。
愛する人が他にいるから結婚できないと突っぱねるつもりなんだ。

衣装室に連れてこられた辺りから、なんとなくそうかもしれないとは感づいていたが、はっきりと告げられると緊張が走る。


「私、八坂さんの恋人に見えるでしようか……」


思わず本音を吐くと、彼は足を止め私に向き合う。
そして、唇に人差し指を置いた。
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