溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「大成さん、だろ?」


もうすっかり酔いがさめたらしい彼が、優しく囁くので息が止まりそうになる。


「そう、でした……」


彼に触れられた唇が熱い。
ろくに彼氏がいたこともない私には、こんな大役こなせる自信がない。


「緊張してる?」

「……はい」


ものすごく。


「そうだよな。突然巻き込んで、ごめん」

「あっ、いえ……。あらがえと言ったのは、私ですから」


そう言うと、彼は小さく笑い、私の手を引いてフロアの一番端まで歩いていく。
そして、死角になったそこで、不意に私を抱きしめた。


「澪」


とろけそうなほど柔らかな声で名前を呼ばれ、腰が砕けそうになる。
本当に彼の大切な存在になれたんじゃないかと錯覚してしまいそうだ。


「俺が守る。澪はただそばにいてくれればいい」


彼は耳元で囁く。


「ほんのひとときでいい。俺と恋に落ちて?」

「大成さん……」


彼のジャケットを握りしめながら考える。
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