溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
社長はコーヒーを口に運んだあと、再び話し出す。
「大成の結婚を仕事に利用しようとするなんて、私も老いぼれたものだ」
もしかして、千代子さんとの婚約を勝手に進めたことを、後悔しているの?
「でも、まさか大成があんな思いきったことをするとは」
婚約破棄宣言をしたときのことを言っているのだろう。
お父さまは怒っているとばかり思っていたのに、笑みを浮かべ小刻みに肩を震わせている。
「その節は本当に申し訳——」
「大成が恋人役を頼んだそうですね。西條さんにまったく非はないと言ってました」
大成さん、そんなことまで話してくれたの?
「いゃあ、あのときは頭が真っ白になりました。これで東横との取引も絶望的。大成が次の社長に就任することもない。正直、終わったと思ってね」
お父さまは再びコーヒーを口にしながら、私を見つめる。
「だが、大成が……『本当に西條さんに惚れたから、彼女を幸せにするために必死になる。だから継がせてくれ』と頭を下げに来たんですよ」
「大成の結婚を仕事に利用しようとするなんて、私も老いぼれたものだ」
もしかして、千代子さんとの婚約を勝手に進めたことを、後悔しているの?
「でも、まさか大成があんな思いきったことをするとは」
婚約破棄宣言をしたときのことを言っているのだろう。
お父さまは怒っているとばかり思っていたのに、笑みを浮かべ小刻みに肩を震わせている。
「その節は本当に申し訳——」
「大成が恋人役を頼んだそうですね。西條さんにまったく非はないと言ってました」
大成さん、そんなことまで話してくれたの?
「いゃあ、あのときは頭が真っ白になりました。これで東横との取引も絶望的。大成が次の社長に就任することもない。正直、終わったと思ってね」
お父さまは再びコーヒーを口にしながら、私を見つめる。
「だが、大成が……『本当に西條さんに惚れたから、彼女を幸せにするために必死になる。だから継がせてくれ』と頭を下げに来たんですよ」