溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「はい。よろしくお願いします」
私は鼻の奥がツーンとするのを感じながら、深く頭を下げた。
緊張して足を踏み入れたはずのスイートを出るときには、この上なく幸せな気持ちで満たされていた。
「西條さん、ありがとうございました」
私を見送るために部屋を出て来てくれた中野さんが頭を下げるので慌てる。
「そんな。お礼を言うのは私のほうです。あのっ、ひとつお願いしてもいいですか?」
「なんでしょう?」
私が小声でとあるお願いをすると、中野さんはあんぐり口を開けている。
しかし、次の瞬間にはにっこり笑い「承知しました」と受け入れてくれた。
それから私は、他の人たちのヘルプに走り回り、終業時間の十七時を少しオーバーした頃、ひと段落ついた。
更衣室で着替えをしていると、スマホが震える。
大成さんからだ。
廊下に出て電話に出ると、『澪、終わったか?』という彼の声が聞こえてきた。
私は鼻の奥がツーンとするのを感じながら、深く頭を下げた。
緊張して足を踏み入れたはずのスイートを出るときには、この上なく幸せな気持ちで満たされていた。
「西條さん、ありがとうございました」
私を見送るために部屋を出て来てくれた中野さんが頭を下げるので慌てる。
「そんな。お礼を言うのは私のほうです。あのっ、ひとつお願いしてもいいですか?」
「なんでしょう?」
私が小声でとあるお願いをすると、中野さんはあんぐり口を開けている。
しかし、次の瞬間にはにっこり笑い「承知しました」と受け入れてくれた。
それから私は、他の人たちのヘルプに走り回り、終業時間の十七時を少しオーバーした頃、ひと段落ついた。
更衣室で着替えをしていると、スマホが震える。
大成さんからだ。
廊下に出て電話に出ると、『澪、終わったか?』という彼の声が聞こえてきた。