溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「社長の秘書をしております、中野です。大成さんのこと、しばらくお任せしてもいいですか?」


社長秘書って……お父さまの秘書?


「いっ、いえ。任せるって……えっ?」


混乱してテンパってしまう。


『お任せしても』と言われても、急遽こんなことになったわけで、いまだこの状況がよく理解できていないのが本音で……。


「とにかく、今日は私がうまく処理しておきます。またご連絡します。なにかお力になれることがあれば、遠慮なくお電話ください」


中野さんは大成さんと私に一礼すると、会場に戻っていく。
私はそのうしろ姿をポカーンと見送った。


「た、大成さんあの……」

「びっくりさせたね」


びっくりしたなんてもんじゃない。

婚約を断るだけでなく、『すべてを捨てる』と宣言しちゃうなんて。
ちょっと落ち着いて頭の中を整理しなければ。
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