溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
大成さんは、タクシーの運転手に私の知らない住所を告げる。


「私は自分の家に帰ります」

「澪はもう運命共同体だから、責任とって」

「責任って……」


そりゃあ、意にそぐわない結婚ならあらがえばいいと言ったのは私。
でも、彼とはつい数時間前に出会っただけで、なにも知らない。


「中野さんも、任せるって言ってただろ?」

「それは中野さんが私たちの事情をご存知ないからで」


彼は私たちが愛する恋人同士だと思っているはずだ。


「まあそうだけど。こうして出会えたのもなんかの縁だし、本当に付き合う?」

「な、なに言ってるんですか!」


そもそも愛のない結婚がイヤであんなことをやらかしたくせして。


「あはは。冗談。澪って、そういう経験少ない?」

「な、んでそんなことを言わなくちゃいけないんですか……」


まったく図星だったので、そんなふうにしか返せなかった。
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