溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「やめてください。冗談でも傷つきます」


私は悲しくなった。
千代子さんのように美しい女性を見たあとだから、余計に。


「冗談なんて言ってない。澪は本当にきれいだよ」


再び手を伸ばしてきた彼は、今度は私の頬に優しく触れる。
おまけに、真剣な視線を逸らそうとしない。


「もう、ホントに……」


『やめて』と言おうとすると、彼は少し悲しげな顔をして私の唇を指で押さえる。


「嘘じゃない。それに、澪の『あきらめないで』って言葉、すごく効いたよ。そのときの透き通った瞳も、忘れられない」

「そんな……」


恥ずかしさのあまり顔を伏せると、彼は私の腕を引き抱き寄せる。


「大成さん、ちょっと……」


慌てて離れようとしたものの、許してくれない。


「少しでいい。このまま聞いて。澪のあのひと言に救われたんだ。俺が怒るかもしれないとわかっていて、言ってくれただろ?」


私は彼の腕の中でうなずく。
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