溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「いい加減にしてください! なんなの、もう! シャワー借ります」


私はその場にいるのがいたたまれなくなり、彼の横を通ってリビングを出ていこうとした。


「えっ……」

「待てよ」


突然声のトーンを抑えた彼は、私の腕をつかんで止める。
触れられた場所がじんじんと熱を帯びてくるのがわかる。

恥ずかしくなって顔を伏せると、彼が私の耳元に近づいてきて、再び口を開く。

な、なにを言われるの?


「着替え、置いておくから」


は……。
思いきり身構えていたのに、それだけ?

腹を立てながら浴室に飛び込んだものの……。


「あれ?」


私、なにを言われると思ってたんだろう?
着替えを貸してもらわないと困るわけだし、大成さんはごく当たり前のことを言っただけなのに。


「言い方よ!」


シャワーを浴びながら、ひとりでぶつくさ言ってしまうのは、気が動転しているからだと思う。
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