溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
それにしても、なんて広い浴室なの?
私のマンションとはけた違いだ。

住む世界の違いに驚き、感嘆のため息しか出ない。

すごくいい香りのするシャンプーやボディソープを借りてシャワーを済ませると、脱衣所にタオルと着替えが置かれてあった。


「あ……」


ひとり言、聞かれてないよね……。

ダボダボのジャージを着て、一抹の不安を抱きながらリビングに戻ると、大成さんはソファに体を投げだし目を閉じていた。


「寝てる?」


きっと疲れたんだろうな。
あの調子じゃ、昨日の夜もよく眠れなかったんじゃないだろうか。

勝手に悪いとは思ったけれど、寝室から布団を引っ張り出してきて、大成さんにそっとかける。
そして、彼の顔を覗き込むように座り込んだ。

まつ毛、長いな……。それに肌がすべすべだ。

マンションに帰って来てからの彼は、私をからかって楽しそうだけど『俺はなんのために生きてるんだ』とつぶやいたときの苦しげな顔がチラついて消えない。
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