溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
『だから恥ずかしがることはない』という心の声が聞こえた気がする。

そんなふうに言われては、離れてほしいとは強く言えなくなり、緊張しながらも暴れるのをやめた。
そして、疲れていた私は、彼の腕に包まれたまま眠ってしまった。



「あっ!」


今、何時?
そのままぐっすり眠ってしまった私は、慌てて飛び起きた。

遮光カーテンのせいで、何時なのかさっぱりわからない。


「澪、起きたのか?」

「あれ……キャッ」


隣に大成さんがいることなんてすっかり忘れていた私は、一瞬なにが起こったのか理解できない。

そっか。あのまま寝ちゃったんだ。

男の人とベッドを共にしたなんて、初めてだ。
いや、こういうのを“共にした”とは言わないか。


「『キャッ』って……今さらだから」


彼はそう言いながら少し離れた私を引き寄せ背中に手を回してくる。


「あぁぁぁ、離れてください!」

「俺、寝起き悪いんだよ。ちょっとこのままにしてて」

「む、無理っ!」


息が吸えないんだもの。
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