溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
彼の顔が生き生きとしている。
やっぱりアルカンシエルの仕事が好きなんだ。


「別のホテルと入居を争うことになって、プレゼンでうちがものにしたってわけ」

「そうだったんですね。大成さん、そのプレゼンに噛んでるんでしょう?」


その話しっぷりからなんとなくそう感じたので聞いてみた。


「まぁ……中野さんとはやり取りしたけど」


彼は曖昧に言葉を濁してしまったけれど、表立っては動いてはいなくても、彼が主導したのかもしれない。


「大成さん、やはりアルカンシエルをお継ぎになるべきでは? 千代子さんとの結婚のことは別として、大成さんは今の仕事がお好きなんですよ」


後継ぎとしてのプレッシャーや、幼少期の不自由な生活。
それらは気の毒だとは思うけど、そもそも政略結婚を承諾したのだって、アルカンシエルを継ぐ覚悟があったからだと思う。

自分の気持ちに反することに耐えきれず、婚約破棄なんていう大事を起こしてしまったものの、会社に対する熱い想いは変わってはいないはずだ。
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