あたしはモデル。【完】
「…あの、ありがとう。」
「ん。いいから飲んで」
しばらくして私が落ち着いてきた頃に拓夢はミルクティーを淹れてくれた。
「ここ、拓夢さんのお家ですか?」
「あ、うん。ごめんな。
屋上で桜が倒れて、俺の家学校から近いからとっさに連れてきた。」
そうだ。私、倒れたんだ。
すごい迷惑をかけてしまった。
「本当に、すみませんでした…。」
「いいから。気にすんな」
「………」
「………」
「私…。私…っ」
全部、話そう
全部話して、謝ろう
受け止めてくれるって言ってくれた拓夢の言葉は、きっと嘘なんかじゃない。
だから、話さなきゃ。
「…っ、」
なのに、怖くて言葉が出ない。
勇気が出ない。
意気地無しの私。
嫌われたくないんだ。