あたしはモデル。【完】
どうしてもあと一歩が、踏み出せない。
「……。」
言葉を続けることが出来ない私。
すると急に手にぬくもりを感じて、見ると拓夢の手に包み込まれていた。
「桜はさ、俺が最初に告白したの、覚えてる?」
「え…うん。」
確か、1度目のミネラルウォーターの撮影で私が倒れた次の日だったよね。
「あれ、俺の人生初の告白。」
「えっ?」
何!
急に、何!?
「すげぇ、恥ずかしくてさ。」
拓夢はそう言うと私の手を覆っている方の手に、少し力を込めた。
「すげぇ、怖かったよ。
今まで、人のこと本気で好きになったことなんてなかった俺が、告白なんてさ。
自分の気持ちを伝えることなんてしたことねぇし、マジで緊張して」