私の上司はご近所さん
「そうだっ! 部長、明日ウチに来ませんか?」
「え?」
「送ってもらったお礼に、お昼ご飯をごちそうします!」
こんなことを思い立ったのは、結衣との約束を思い出したから。
明日は結衣もウチに呼んで、部長に紹介する。そうすればミッションクリアで、結衣にジュジュ苑の焼肉をごちそうしてもらえる!
一石二鳥の案を思いつき、顔がニヤけてしまう。
「ごちそうしてもらうんじゃなくて、自分できちんと払うよ」
「お金のことは気にしないでください。ウチの定食、安いので」
遠慮がちな部長に向かって、自慢げに胸を張ってみせた。
家族で切り盛りしているそのだ食堂は、ボリューム満点でお財布に優しいことがウリ。もちろん肝心の味も自信あり。
「それじゃあ、お言葉に甘えるとするかな」
「はい! 思いっきり甘えちゃってください!」
私の張り切った言葉を聞いた部長がクスクスと笑う。
もしかして、部長って笑い上戸?
意外な部長の一面を知ることができてうれしい。白い歯を見せて笑う部長とともに、私もクスクスと笑い声をあげた。