PMに恋したら
「ん……」
深く絡まる柔らかな舌の動きに呼吸が乱れる。
「ちゃんと……二人の未来を考えてるから……」
僅かに離れた唇から力強い言葉が出る。シバケンの手が私の髪を愛おしそうに撫でた。その手が、私を見つめる熱っぽい視線が、愛情溢れる言葉が愛おしくて堪らない。私は返事をする代わりにただ頷いた。その瞬間、顔中にキスの雨が降り注ぐ。瞼に、頬に、唇に。
そのまま体に体重をかけられて床に組み敷かれる。
「実弥ごめん……そんなつもりじゃなかったんだけど、余裕ない……」
私を見下ろすシバケンの顔は色気を纏っていて、そんな顔で見つめられたら私だって余裕がなくなる。
「私……シバケンの全部を受け入れたいです……」
そう言うと唇がシバケンの唇で塞がれる。手がワンピースの裾をまくり、私の胸を包むとビクンと体が跳ねた。
胸から下が露わになってシバケンに見せたことのない肌を撫でられて思わず腰までも揺れる。
シバケンが私の胸に顔を埋め何度も軽く吸いつく。その度に私の口からは甘い声が漏れて体が震える。
着たばかりのティーシャツを脱いだシバケンは私のワンピースも脱がす。体に覆いかぶさった体温が心地良くて、ただひたすらシバケンの熱を受け入れた。
「……大事にする」
乱れた呼吸の合間の言葉にシバケンを見上げると、真剣な表情で私を見下ろす。
「実弥を守るから」
力強い言葉に胸を打たれた。この人は本当にどんな悪事や不幸からも私を守ってくれる気がした。彼の全てを信じることができる。
「うん……」
潤み始めた瞳で真っ直ぐに見つめ返す。
心が満たされるのを感じる。
私のヒーロー。私の愛しい人。
シバケンのために親の言いなりだった自分を変えたい。変わってみせる。