四面楚歌-悲運の妃-
そう言った偉罨様の事を想うと、胸が苦しくなる。
もし、偉罨様を愛していれば
村からも出ず
そんな掟など、どうとも思わなかっただろう。
この掟で村を出た冥明様も…きっとそう思ったに違いない。
あ…れ?
私はそこである事に気付いた。
冥明様は齢91だ。
十分過ぎる程長生きをしている。
掟から逃げ村を出ているのに、どういう事だろう?
聖人と契らなかった者は、命が尽きるのが早いのではないのか?
もしかして、その言い伝えは聖一族が作って話なのでは…?
『偉罨様!私は村を出てから、私の前に誕生した七神・冥明様と出会い、後宮に入るまで一緒に暮らして来ました。
冥明様がまだご存命という事は、さき程の契りを交わさなかった者は命が尽きるのが早いというのは、一族の作り話なのではないのですか!?』
一気に話した私に、偉罨様は一瞬驚ろいたけれど、すぐ顔を歪ませた。
「そうか、冥明様に会われていたのか。何も…聞かされておらぬのだな。残念だが、本当の話だ。」
本当の話?
ではどういう事なのだ?