優しい魔女は嘘をつく
「私は、あなたに会えるのが……待ち遠しかったのです」
初美の台詞を真似して、私は言う。
涙を拭って真っ直ぐに立つと、もう足は震えなかった。堂本くんは私に合わせるようにして、アドリブを放つ。
「……だから、泣いたのですか?」
「ええ。あまりにも嬉しいものですから」
私が笑って言うと、堂本くんも優しく笑った。
「……美しい姫。私と、踊っていただけますか?」
「喜んで」
彼から差し出された手に自分の手を重ねると、どこからか曲が流れてきた。
曲に合わせて、自然と動き出す二人の足。
初美はその様子を、笑顔で眺めていた。