優しい魔女は嘘をつく
「後は任せとけよ」
私の左腕を掴む堂本くんの手は温かくて、大きかった。
とくん、と胸が音を立てる。緊張しているときとは違う、小さな音だった。
うん、と私は笑顔で頷く。
堂本くんが反対方向に走って位置につくと、ステージの幕がゆっくりと開いた。
私は待機スペースにある椅子に座り、靴下を脱いだ。靴擦れができているのか、足がズキズキと痛む。
確認すると予想通り、かかとの辺りが赤くなっていた。
どうしよう、絆創膏無いかな。私が椅子に座って辺りを見渡していたら、後方のドアが静かに開いた。
「氷上先生?」
どうしてここにいるの?
私が聞くよりも先に、氷上先生は人指し指を口に当ててそれを制した。