優しい魔女は嘘をつく
** 初美side
「お疲れ~!」
文化祭が終わった。私が大きな声で後ろから話しかけると、堂本くんの肩が大きく跳ねた。
「っわ!驚かすなよ!」
廊下に響き渡る声。堂本くんが抱えていた段ボールから、小道具のサンプルのカボチャがこぼれ落ちた。
めんどくさそうにそれを拾う彼に、私は話しかける。
「劇、上手くいったね」
「あぁ」と頷いて、堂本くんが窓の外を見た。
風に運ばれて飛んできた銀杏の葉は、もう黄色に染まっていた。
秋がやってきたのだと、今更ながら思った。