優しい魔女は嘘をつく
「よし!」と私は覚悟を決めて立ち上がった。



人気のない体育館の裏に、私の声はよく響く。驚いたように、咲良が私を見た。




「急にどうしたの?」



「放課後、堂本くんに謝ってくる」



「えぇ!?」




そりゃまぁ、謝って許してくれないと思うけど……最悪の場合、することはもう決めている。




「え」「でも」を繰り返して、咲良は慌てていた。



でも、私だって死ぬ気でやればなんでもできる……はず。




とっても、ただ話しかけて「ごめんなさい」と言うだけなんだけど。





決闘に行くみたいな雰囲気になっていることに気づき、恥ずかしくなって腰をおろす。




隣を見ると、咲良はまだ少し戸惑っているようだった。

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