優しい魔女は嘘をつく
「咲良が慌てることじゃないよ」
自分のことじゃないのに慌てている咲良がおかしくて、私は笑ってしまった。
咲良は少し辛そうな顔をして、「何かあったら、言ってね」と私に言った。
そんなに気にすることじゃないのに。咲良って本当、心配性なんだから。
「ありがとう」私が頷くと、咲良はホッとしたように頬を緩ませた。
その時、ザアッと風が吹き、どこからか銀杏の葉が飛んできた。
上を見た途端、目の前に緑のものが現れて視界を塞ぐ。
かと思いきや、それは消えて、すぐに視界が明るくなった。
下を見ると、コンクリートの上に銀杏の葉が一枚、落ちている。
「咲良!ほら、銀杏の葉が──」
それをつかんで咲良に見せるために目の前に持ってきた時、私は気づいた。