優しい魔女は嘘をつく
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ガチャガチャと机を動かしている音が響く中、咲良が怯えながら机を動かしているのが見えた。
私は縮こまりながら、机のある一点をじっと見つめていた。
どうしてこうなってしまったんだろう、と今更ながら思った。
あの時アミダくじを、横に一つでもずらしていたら良かった。昼休み、咲良がそう言っていたのを思い出す。
堂本くんは見ているに違いない。絶対、もう、絶対に。私を睨んでいるはずだ。
しばらくして少し顔を上げると、視界に彼のズボンが映った。
あぁ、ダメだ。覚悟を決めたはずなのに、今すぐ逃げ出したいと思ってしまう。
「じゃ、係も明日から変わるぞ。二学期中はこの席で決まりなんだからな」
おそらくニッ、と笑っているであろう矢田先生の顔が見られない。