主さまの気まぐれ-百鬼夜行の王-③
その日主さまは息吹に会うために晴明邸に居た。
子供たちが勝手なことをして危険な目に遭ったかもしれないことを詫びに行ったのだが――
「主さま!良かった…」
「…何がだ」
「会いたかったの。なんだか無性に」
…
……密かに内心動揺して慌てていたが、努めて冷静に畏まって頷いた主さまを傍から見ていた晴明がぽそり。
「耳まで真っ赤だぞ」
「!うるさい!」
「そなた…あんなに子を儲けておいてまだその様なのか、呆れるぞ」
「お前はあっちに行ってろ」
邪険に手を振られてお邪魔虫扱いされた晴明が笑いながらその場から去ると、それを待っていた息吹が昔よくしていたように主さまの膝に上がり込んで胸に頭を預けた。
「お、おい…」
「ちょっと離れてるだけなのに、すっごく長く感じてる。主さまもそう?」
「…ああ」
「ふふ、よかった。ねえ朔ちゃんたち…悪さしてない?大丈夫?」
「…至って普通に過ごしているから心配するな」
「そう?輝ちゃんは…大丈夫?」
――何故輝夜を気にするのか。
出生が普通ではなかったのは確かだが、何か違和感を覚えた主さまは、息吹をやわらかく抱きしめながら静かに問うた。
「何か不安があるのか」
「…ううん、別に。気のせいならいいの。主さま」
息吹が顔を上げると、主さまはこの世で最も愛している存在の女に誰にも見せない小さな笑顔を見せて顔を近付けた。
「家の外でこんなことをしていいと思っているのか?」
「誰も見てないからいいでしょ?」
「そうか?あちこちから見られている気がするけどな」
唇を重ね合って、互いの不安を打ち消し合う。
最近平和だった日常に慣れかけていた主さまはこの現状を打破すべく動くことを決意した。
子供たちが勝手なことをして危険な目に遭ったかもしれないことを詫びに行ったのだが――
「主さま!良かった…」
「…何がだ」
「会いたかったの。なんだか無性に」
…
……密かに内心動揺して慌てていたが、努めて冷静に畏まって頷いた主さまを傍から見ていた晴明がぽそり。
「耳まで真っ赤だぞ」
「!うるさい!」
「そなた…あんなに子を儲けておいてまだその様なのか、呆れるぞ」
「お前はあっちに行ってろ」
邪険に手を振られてお邪魔虫扱いされた晴明が笑いながらその場から去ると、それを待っていた息吹が昔よくしていたように主さまの膝に上がり込んで胸に頭を預けた。
「お、おい…」
「ちょっと離れてるだけなのに、すっごく長く感じてる。主さまもそう?」
「…ああ」
「ふふ、よかった。ねえ朔ちゃんたち…悪さしてない?大丈夫?」
「…至って普通に過ごしているから心配するな」
「そう?輝ちゃんは…大丈夫?」
――何故輝夜を気にするのか。
出生が普通ではなかったのは確かだが、何か違和感を覚えた主さまは、息吹をやわらかく抱きしめながら静かに問うた。
「何か不安があるのか」
「…ううん、別に。気のせいならいいの。主さま」
息吹が顔を上げると、主さまはこの世で最も愛している存在の女に誰にも見せない小さな笑顔を見せて顔を近付けた。
「家の外でこんなことをしていいと思っているのか?」
「誰も見てないからいいでしょ?」
「そうか?あちこちから見られている気がするけどな」
唇を重ね合って、互いの不安を打ち消し合う。
最近平和だった日常に慣れかけていた主さまはこの現状を打破すべく動くことを決意した。