甘いチョコとビターな彼


「……梓」


「あ、は、はいっ」


名前……また呼んでくれた。


「それは、俺が作ったチョコレートだから」


「え………」


「ったく…勝手に約束なしにするだの、俺と一緒にいる意味がないだの、お前は相変わらず自由すぎんだよ」


「…チョコくん?」


「…………はぁ」


頭をガシガシかいていた彼は、1つ息を吐くと私をまっすぐに見据えて、


「俺が好きなのは……梓、お前なんだよ」


「っ、え、…えっ?」


「何その顔」


「だ、だって……チョコくんは、さっきのあの子のことが好きなんじゃ……?」


「は?どーゆー風に見たらそう思うわけ?」


不機嫌そうな顔をする彼に、私は慌ててさっき見た光景を説明する。


「……それは、あー、その…」


「??」


先を言いづらそうにする彼を見つめていれば、観念したようにまた息を吐いた。


「あれは……持ってた袋は、誰かからもらったものなのかって聞かれて……」


「うん」


「……これは俺が作ったやつで、好きなやつにこれから渡すんだって……言ったんだよ」


「…………」


「っ、だから!俺が好きなのはお前!わかったか!?」


「は、はい……っ」


「よし」

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