御曹司と婚前同居、はじめます
「とても好きな仕事です」
喋りながら熱が入ってしまい、気恥ずかしさを笑って誤魔化した。
「美和様はお若いのにしっかりしていらっしゃる」
「やめてくださいよ。それに前から思っていたんですけど、柏原さんに様付けで呼ばれるとか恐縮です。普通にしてくださいよ」
「副社長の大切なお方ですのでそれは無理ですね」
「そんなぁ」
最近では柏原さんともだいぶ打ち解けた。
和やかに会話をしていると、疲れた顔をした瑛真がうーん、と伸びをした。
「ごめん。うるさかった?」
「ん? いや?」
瑛真は椅子の背に体重を預けて小さな息を吐き、「少し出てくる」と立ち上がる。
煙草を吸いに行くのだろう。
柏原さんは私に目配せをしてから瑛真の後に続いて出て行った。
どんな状況でも瑛真は私が男性と二人きりになるのを良く思わない。
そんなに信用出来ないのかな……。でもまあ、創一郎さんとのことで心配をかけているから、引け目があって強く言えないのだけれど。
二人が席を外しているうちに用を足して廊下を歩いていると、運悪く創一郎さんと出くわした。
擦れ違いざまに「こんにちは」と頭を下げると、向こうも挨拶をしてきた後に「そうだ」と呼び止めた。
喋りながら熱が入ってしまい、気恥ずかしさを笑って誤魔化した。
「美和様はお若いのにしっかりしていらっしゃる」
「やめてくださいよ。それに前から思っていたんですけど、柏原さんに様付けで呼ばれるとか恐縮です。普通にしてくださいよ」
「副社長の大切なお方ですのでそれは無理ですね」
「そんなぁ」
最近では柏原さんともだいぶ打ち解けた。
和やかに会話をしていると、疲れた顔をした瑛真がうーん、と伸びをした。
「ごめん。うるさかった?」
「ん? いや?」
瑛真は椅子の背に体重を預けて小さな息を吐き、「少し出てくる」と立ち上がる。
煙草を吸いに行くのだろう。
柏原さんは私に目配せをしてから瑛真の後に続いて出て行った。
どんな状況でも瑛真は私が男性と二人きりになるのを良く思わない。
そんなに信用出来ないのかな……。でもまあ、創一郎さんとのことで心配をかけているから、引け目があって強く言えないのだけれど。
二人が席を外しているうちに用を足して廊下を歩いていると、運悪く創一郎さんと出くわした。
擦れ違いざまに「こんにちは」と頭を下げると、向こうも挨拶をしてきた後に「そうだ」と呼び止めた。