御曹司と婚前同居、はじめます
「美和様。こちらを」
おもむろに近寄ってきた柏原さんが差し出したのはこの部屋のカードキーだった。
「何かありましたらこちらへお電話ください」
ジャケットの内ポケットからメモ用紙を取り出して、テーブルの上に置いたままだった万年筆を使ってさらさらと二つの番号を書いた。
「上が副社長、下が私のです。副社長の番号はプライベート用なのでご遠慮なさらずに」
「はい……」
柏原さんの隙を与えない風姿にただ頷くことしか出来ない。
瀬織建設副社長の秘書を務めるくらいだ。きっとこの人もエリートなのだろう。
何歳くらいなのかな? 見た感じ同い年くらいに見えるけど……。
所帯持ちと言っていたからお子さんもいるのかな?
「何か?」
じっと見つめていたせいで、訝しい顔をされてしまった。
「あ、いえ」
何でもないです、と顔の前で手を振ったところで瑛真が戻ってきた。ネクタイを中途半端に首にかけている。
そっか、結べないんだ。
おもむろに近寄ってきた柏原さんが差し出したのはこの部屋のカードキーだった。
「何かありましたらこちらへお電話ください」
ジャケットの内ポケットからメモ用紙を取り出して、テーブルの上に置いたままだった万年筆を使ってさらさらと二つの番号を書いた。
「上が副社長、下が私のです。副社長の番号はプライベート用なのでご遠慮なさらずに」
「はい……」
柏原さんの隙を与えない風姿にただ頷くことしか出来ない。
瀬織建設副社長の秘書を務めるくらいだ。きっとこの人もエリートなのだろう。
何歳くらいなのかな? 見た感じ同い年くらいに見えるけど……。
所帯持ちと言っていたからお子さんもいるのかな?
「何か?」
じっと見つめていたせいで、訝しい顔をされてしまった。
「あ、いえ」
何でもないです、と顔の前で手を振ったところで瑛真が戻ってきた。ネクタイを中途半端に首にかけている。
そっか、結べないんだ。