御曹司と婚前同居、はじめます
それにこの人……。善意の裏に悪意があるように見えるのは気のせい?

わざわざこんなことをする真意は何だろう。私と瑛真のどちらに敵意を持っているの?

どちらにしてもここで動揺をしたらダメだ。


「お気遣いありがとうございます。ですが、心配ご無用です」


微笑を浮かべると、創一郎さんは少し驚いた様子だった。


「お話はそれだけですか?」

「もう一つ。美和さんをデートに誘いたい」


創一郎さんは口元に薄笑いを浮かべた。


「は?」


思わず専務相手に間抜けな声が出てしまった。


「お昼まだだろう? 一緒にどう?」


瑛真たちはいつ戻ってくるか分からないし、近くのコンビニで適当にお弁当でも買おうと思っていたのだけれど。

……困ったなぁ。一応地位のある人だし、ここで断るのはぶしつけなのかな。


「でも、まだ頼まれている分の仕事が終わっていないので……」


なんとかやり過ごそうとデスクの上に散乱しているファイル資料に視線を流す。
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