さまよう爪
金曜日の朝は急なお誘いに備えて、少しオシャレをして出勤する女性達がちらほら見かける。

みんな体は疲れているが、気持ちだけは元気だ。

食品メーカーはさまざまな部門で成り立っている。

企画部門、営業・販売部門、開発・生産部門、そして、管理部門。

経理や人事、法務、経営企画といった組織を管理するわたしの仕事は、食品メーカーに限らず、どの企業でも経営を裏方として支えるうえで不可欠な存在だ。

卸店様からは発注が入ってるかどうか、発注時間の締め後に、発注の追加はできないかどうか、今日の納品時間はいつになるのか、明日納品分を明後日に変更できないか、商品試してみたいからサンプル送ってくれないか、今発注したら賞味期限はいつのものが届くかなどの対応に追われた。

社内では物流業務（きちんと物が運べるようにする手配）の調整・確認や、営業からの問い合わせをこなす。

いわゆる何でも屋。

わたしの部署にいるハイレベルベテラン内勤（もうすぐ課長？）の人は、もはやいわゆる営業事務の業務ではなく、得意先との商談や打ち合わせに参加したり、新規施策関連の手伝いなど、営業企画寄りの仕事をしている。
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