独り占めしても、いいですか?
やっと離してくれたところで



「お仕事、お疲れ様っ」



そう笑顔で言うと…



「ちょ、日和、それバスローブ⁉︎」



「ひよちゃん、ここでお風呂入ったの⁉︎」



焦った声を出しながら思い切り肩を揺らされた。



「え、えっと、実はよく覚えてなくて…

お土産売り場に行って、私、いつもみたいに倒れちゃって…

それで、知らない男の人が助けてくれたのは覚えてるんだけど…」



私、あの後どうなったんだろう…



「ひよ…」



凛が何かを言いかけてやめた。



そして気まずそうな顔をしてそっぽを向く。



やっぱり、まだ…



私、本当に嫌われちゃってたらどうしよう…



凛の様子を見た透が肩をポンと叩いた。



まるで勇気付けるみたいに。



よかった、あの2人は仲直りできたんだね。



「日和、どこか痛いところはないか?

疲労感や違和感でもいい。

歩くと痛いとか血が出ているとか…」



透に言われて身体をあちこち動かしたり触ったりしてみた。



「…うーん、ないと思うけど…なんで?」



むしろぐっすり寝たおかげで普段より調子のいい気すらする。



「……そこは聞かなくていい」



透が少し赤くしたのと同時に、みんなの顔に安心の色が見えた。



怪我がなくて良かったってことかな?


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