独り占めしても、いいですか?
「あの、私の服は…」



恐る恐る透の背後から顔を出すと、男性はバスローブを着ていて安心した。



「ああ、それならここに…」



そう言って持って来てくれた服は、クリーニング後みたいに綺麗だった。



私が吐いたのって、この人が処理してくれたんだよね…?



ううっ…すごく申し訳ない…



「ありがとうございます」



服を受け取ると、その荷物は透が持ってくれた。



「あなた達はどうやってこの場所を知ったのですか?」



それは私も気になった。



情報収集だけじゃ、この1部屋にたどり着くのはすごく難しいはず。



「ああ!それなら秀ちゃんがGPSで…イデッ!」



「やだなぁ、『愛の力』ですよ」



優ちゃんは秀ちゃんに足を踏まれて痛そうにした。



秀ちゃんはいつもと変わらない笑顔を向けている。



今GPSって言ったような…



まさか私に⁉︎どこ⁉︎



私は初めて秀ちゃんの笑顔に潜んだ闇を見た気がした。


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