独り占めしても、いいですか?
「日和のこと、ありがとうございました。

それと、勘違いしてすみません。

……お世話になって、さらにありもしない疑いをかけたことを自覚した上で、お願いがあります」



真剣な表情と声で切り出したのは凛だった。



「俺達が誰かなんて、もう勘付いていると思います」



「Sanlightの皆さんですね?」



「はい」



そこで初めて私は気がついた。



これから凛の言おうとしていることに。



「今日のこと…今日の俺達の行動のこと、誰にも言わないでくれませんか?

お願いします」



凛が頭を下げるのと同時に、他の3人も一緒に頭を下げた。



つられて私も頭を下げる。



今日のみんなの言動は、アイドルのみんなのイメージを壊すようなものがあった。



特に凛は、タオル1枚で現れたこの人に対して、噛み付く勢いで向かっていってた。



そんなのをニュースに流されたらSanlightはたまったもんじゃない。



「……頭を上げなさい」



男の人の声は優しかった。



「今日のことは秘密にしておきます。

もともとそうするつもりでした。

私も、同じような奴らを受け持っているので」



ため息をついて、やれやれと笑う。



「君達はあいつらによく似ている…」と独り言を言った。



「同じような奴らって…?」



「ああ、そうでした、まだ名刺を渡していませんでしたね」



そう言って部屋の奥に入ったかと思うと、ゴソゴソとカバンの中を漁りだす。



戻って来て、私達1人1人に名刺を渡しながら、



「申し遅れました。

私、アイドルグループ『Infinity』のマネージャーをしております。

駿河と申します」



と言った。


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