独り占めしても、いいですか?
「優希、そろそろ」



「あっ、うん!」



優ちゃんが司会者の立ち位置まで戻っていく。



「日和、怖い?」



秀ちゃんが優しく手を握ってきた。



「少し…不安かな。

練習もしてないし…」



「でも怖くはないんだね」



「え?」



「だって今の日和、ステージの上にいるのに普段と変わらない日和だよ」



そう言われて気がついた。



私は観客の方に身体を向ける。



頭…痛くない。



気分も悪くない。



私、ステージに上がった時あたふたし過ぎて、怖がるのを忘れてた…


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