独り占めしても、いいですか?
「おじさんちょっとあっちに行くから、ここで待っててね」



そう言って、誘拐犯を捕まえた警察官の方へ行く。



私は急展開についていけなくて数秒ぼーっとして、ハッとあることに気づいた。



ここでお巡りさんと一緒に行けば、お母さんが呼ばれる。



呼ばれたら嘘もバレる。



ママに、怒られる…!



私はお巡りさんの隙をついて、一目散に逃げ出した。



人が多くて邪魔だったけど、お巡りさんの目を掻い潜るには最適だった。



「きゃっ!」



「なんだ⁉︎」



周りの人がびっくりして声を上げる。



そんなのかまってられない。



私は必死で走った。



どれくらい走ったかわからない。



いつのまにか、私は来たこともない場所にいた。



「ここ…どこ…」



さっきよりも人の数が多い、ビルも高い。



きっと街の中心部まで来ちゃったんだ。


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