独り占めしても、いいですか?
「凛ちゃん!」



ズザッ



優希が俺の前に立ちはだかった。



手首を強く掴まれる。



「まってよ!僕たちだって一緒に探すんだから!1人は危ないよ!

凛ちゃんまでいなくなったら、僕どうしていいか…」



そう言う優希は涙目だった。



それを見て俺も泣きたくなる。



「ごめっ…ん…ズッ」



一旦足を止めて冷静になると涙が止まらなくなって、ボロボロと溢れてきた。



俺が、もっとちゃんと見てやっていれば…



いつも通り一緒に遊んでいれば…



日和は今頃…



もしも日和がいなくなったらどうしよう。



日和がもし、事故で車に轢かれていたら…誘拐されていたら…



もう、日和に会えないかもしれない。



そんなの…



「おい、泣き虫凛、しっかりしろ。

そんなんで日和を見つけた時顔見せられないだろ」



透と秀也が追いついてきた。



透から差し出されたハンカチで涙を拭い、パンッとぽっペたを叩く。



赤くなった目と頬が痛いけど、心の方が痛かった。



でも今はそんな場合じゃない。



泣いてる暇があったら日和を探せ俺!



「悪い、日和を探すぞ」


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