独り占めしても、いいですか?
気持ちとすれ違うように、凛の顔がどんどん近づいてくる。



逃げようにも力が入らないし、心臓はドキドキだし、拒否して凛を傷つけたくもない。



なにがなんだかわからなくなり、ギュッと目を瞑った。



何が悪かったんだろうっ。



なんで、こうなっちゃったんだろう…⁉︎



こんなイジワルな凛、見たことない…!



目に力が入り、身体が震えそうになった時…



パコーン!!!



………えっ?



「いってー!」



ハッとして目を開けると、痛そうに頭を掻く凛と怒りを爆発させてる透がいた。



透の手にある、丸まった冊子。



さっきの音は、これで凛の頭を叩いた音。



「と、透っ!」



私は無我夢中で凛の腕から抜け出し、透に抱きつく。



もう、凛の顔が見られなかった。


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