好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。



「大志ん家寄ってっていい?」

「は?」


スーパーの帰り道で、俺の家を通過する手前で舞は急にそんなことを言ってきた。




「折角だからお家デートでもしようよ」


ヘラっと笑うこいつは、自分が何を言ってるのか分かってるんだろうか。



「アイスが溶けちゃう」とまで言われて、俺はどうしようかと迷いながらも舞を家へ入れる。




「あら舞ちゃん〜。いらっしゃい」

「おばさん、お邪魔します」


玄関へと出てきた母さんは、突然の舞の登場にも嬉しそうに笑っていた。



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