イジワル男子の甘い声
*
「えっと…あとはトマト缶とパスタ…」
カゴに入った材料を確認してから、いつものスーパーを歩く。
今日の夕飯はミートソーススパゲティだ。
♪〜♪〜♪〜
耳にイヤホンをさして、大好きな彼の声を聴きながら、パスタの太さを選ぶ。
柏場、太いのと細いのどっちが好きだろう。
スマホを取り出し、彼に聞こうか迷って、連絡先を持っていないことに気付いた。
いや、そりゃそうだ。
持ってる方がおかしい。
「な〜に聴〜てるの!」
っ?!
突然、右耳のイヤホンが外れたかと思うと同時に、男の人の声がして、慌てて振り向く。
っ!!
目の前に立ってにっこり笑ってる人物の顔を見て、再度驚いてしまう。
だって…。
「ノ……ノアっ?!」