イジワル男子の甘い声
*
「───って感じで、今までとは全然…って、お前、何泣いて…」
歌い終わってヘッドフォンをとった柏場は、横目で私を確認するなり目を見開いた。
「うっ、…だって…当たり前じゃん…」
私は、この人の前だといつも泣いてばかりな気がする。
「で、感想は」
「…バカァ…」
「はぁ?誰に勉強教えてもらった分際でバカって…」
「最高に決まってんじゃんっ」
思わず、寄ってきた柏場の胸板を叩いた。
「やっぱりお前じゃなくて、sakuを知らない人に聴かせるんだった」
「なにそれ…」
お前でいいっていったのは柏場じゃん。
チラッと柏場を見ると、顔をそらして頭をかいていた。
さっきから思ってたけど…柏場って照れるとそうやって目をそらして斜め下を見るのかな。