イジワル男子の甘い声
「で、その大きい荷物は何」
「あ、お弁当を作りやした先輩」
家を出たのが9時58分だったのに、柏場はもう自分の家の玄関にもたれてスマホをいじっていた。
さすがすぎる。
紺のサマージャケットに白のロンTと黒スキニーという、ザッ、ザッ、シンプルな格好だっていうのに。
相変わらず様になるんだからなぁ。
っていうか、お出かけ用に服着てるのは数回見たことあるけど…。
柏場が色みのある服を着てるなんて意外だ。
いつも黒ばっかりのイメージだから。
「流石にガン見し過ぎじゃない?」
「あっ、ご、ごめん。私服の柏場くん、貴重なもんで」
注意されなかったらずっと見てるところだった。