イジワル男子の甘い声
「…さん、」
「はぁ?」
手を離して、私の声に耳を傾けてくれる。
こんなこと、話していいのだろうか。
寝ぼけた柏場の口から、女の人の名前を聞いちゃったって。
「双葉」
っ?!
sakuの声じゃない、正真正銘の柏場の少し低い声が、私の名前を呼んだ。
驚いて彼の顔を見たのと同時に、自分の顔が熱をもつ。
不意打ちで、名前で呼ばないでよ。
ドキッとする。
「うっ、怒らない?」
「聞いてみないことには」
ですよね…。
「っ、ミ、ミズキ…さん、」
「…、瑞紀?」
少し驚いたように目を見開く柏場。
すぐにその名前に反応したことに、やっぱりなんか関係のある人で、柏場にとって大切な人なのかもしれないって思った。