花と君といつまでも(完結)
「長くなっちゃってごめんね!もう着いたね水族館!!」


水原さんの顔がいつもの笑顔とは掛け離れていた。

やっぱ重いよねこんな話。
嫌われたかな。嫌だよねこんな人


「ごめんなさい、重いよね。忘れてくれていいし、可哀想とか思わなくていいんですよ!紫苑って名前も」


嫌いになったと言われるのが怖くて私は慌ててドアから出た


「ひゃっ!」


視界が真っ暗になった。
いい香りがする。この匂いはきっと水原さんの香り


私は彼に抱きしめられていた


「紫苑、すっごく良い名前だ。
その花はお父さんからの愛の証だ
お前は思いあっていた両親から生まれた素敵な子供だ。全然可哀想なんかじゃない。寧ろ幸せ者だ」


「お母さんは私を産む時、自分の命を失ってまで私を産んだ。だからずっと一人ぼっちだった。可哀想な子だと思ってた」


「そうか、辛かったな。
でもお前は俺も譲二さんやハルヒさんもいる。
1人じゃない。抱え込むな。安心しろ」


涙が滝のように止まらなかった。
彼の優しさや、譲二さん達の顔を思い出すと1人じゃないんだって思えた

私、1人じゃないんだ。
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