たったひとつの愛を君に



担任に車椅子を押してもらって教室のドアをくぐる。

クラスメイトの視線が私に集まる。

怖くて思わず下を向いた時、

「花園さん、大丈夫?」

「そんな病気だなんて大変だね。」

「私達に出来ることは手伝うからね!」

あちこちから優しい声が飛び交う。

どうしてそんなに優しいの?

私達ほとんど話したこともなかったのに。

その理由は後に分かることになる。


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