たったひとつの愛を君に



今までにないくらいの痛み。

足、背中、胸、頭。

ありとあらゆる箇所が痛む。

まるで全身にガラスが流れているかのようだ。

「あ、あぁ、うぅ。」

私が呻き声をあげていると

それに気付いた母が薬を持ってきてくれた。

「大丈夫、大丈夫だよ。これ飲めば治まるからね。」

薬が気休め程度だということは母も知っている。

それでもなんとか私を安心させようと声を掛けてくれる。


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