たったひとつの愛を君に



朝目を覚ますと、隣に母が居た。

ずっと心配してついていてくれたようだ。

「お母さん、ごめんね。」

何について謝っているのか自分でも分からなかったが

謝らずにはいられなかった。

「お母さんこそ、蜜が辛いのに何も出来なくてごめんね。」

母はそう目を潤ませながら言ってきた。

苦しいのは私だけじゃない。

支えてくれる側も苦しいんだ。

そう気付いた瞬間だった。


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