たったひとつの愛を君に



男が帰ってすぐのことだった。

「蜜?」

愛しの蜂の声がする。

あぁ、なんてところを見られたんだろう。

蜂はしばらく何も言わなかった。

何も言わずに私の目隠しや封じられた口、

縛られた手足を解いてくれた。

そして裸の私に服を着るように促す。

しかし私は服を持って駆け出した。



お風呂場へ。


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