たったひとつの愛を君に



どれだけ時間が経っただろう。

お風呂場の外から蜂の声がする。

「蜜。話を聞かせて。」

話すのが怖かった。

こんな汚れた私を知ったら

蜂に嫌われてしまうのではないか。

躊躇っているとまるで考えを見透かすかのように

「大丈夫。俺は蜜を嫌わないから。」

そう言ってくれた。



蜂に話そう。そう決めて服を着て外へ出た。


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