たったひとつの愛を君に



蜂に体調のことを伝えると、頓服を渡してくれて

部屋まで連れて行ってくれた。

ベッドに横になると頭痛は少しマシになった。

そして私は蜂に言わなければと思っていたことを伝えた。

「もう私は汚れてしまった。赤ちゃんだって出来てしまうかもしれない。こんな私に優しくしなくていいよ。蜂くんにはなんの非もない。悪いのはあの人だから。だから、今日のことはもう忘れて。私なんか放っておいていいよ。」

言いながら自分でも辛くなった。

でも、優しい蜂をこれ以上苦しめたくない。

だからあえて突き放すような言い方をした。


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